brakudaの日常

札幌在住のブロガー1年生brakudaが日々の日常を書き綴ります。日々考えたことや読んだ本、旅行や登山、投資などについて書いていきます。

ニュースがわからない!?アメリカと中国の貿易戦争について解説

みなさん、こんにちは!今日もゆるく生きています、brakudaです。

 

今日はニュースの解説。

新聞やテレビのニュースを見てもさっぱりわからない、という方向けに簡単に解説できれば、と思います。

新聞やテレビのニュースって、その背景にある知識や情報については省略してしまうので、基礎的な知識がないと、そもそも何を言っているのかがわからないんですよね~。背景なりを説明しようとするとその何倍も時間がかかってしまうので、そこは知っている前提で進むのですが、その背景がわからないと、「え。これって何が問題なの?そもそも関税って何?どうなっちゃうの?」となってしまって、そもそもその事件なりが理解できない。そんな部分から説明するような記事を書けたらなと思っています。

 

まずはアメリカと中国がお互いに関税をかけ合って対立し、貿易戦争の様相を呈している、というこのニュース。このニュースの本質は、「関税をかけ合うことは悪いことだ」ということが前提にあります。

 

まず、そもそも関税とは何でしょうか。関税とは、物を輸入する時にその物にかかる税金のこと。

例えば日本の業者がアメリカの業者から100万円の車を輸入するとして、関税が0円であれば日本の業者はアメリカの業者に100万円のお金を渡し、輸入した100万円に幾ばくかの利益を足してアメリカの車を日本国内で売ります。仮に利益を20万円とすると、日本国内の消費者はアメリカの車を120万円で購入することができます。

では仮に、関税を20万円と日本政府が設定した場合、日本の業者は20万円を日本政府に、100万円をアメリカの業者に、合計120万円を支払い、輸入した車に利益(上の条件と同じ20万円)を上乗せして日本国内の消費者へ140万円で売ります。関税をかけた日本政府は20万円の儲けが出ますが、日本国内の消費者は、関税が0円の場合と比べて同じ車を買うのに20万円も多く支払わなければいけません。

そうなるとどうなるか。物が売れなくなります。100万円で買えたものが120万円になったらそりゃあ買わなくなりますよね。

 

物が売れなくなるのに、何故関税というものをかけるのか?それには、「国内産業の保護」という理由があります。

例えば日本国内で車を生産する時に、どう頑張って調達コストを安くしてみても、120万円かかるとします。上記の例で見たように、関税が0円であれば、アメリカから輸入した車が100万円で出回れば、日本国内で生産する120万円の車は売れません。そうすると、日本国内で車を生産しようとする人がいなくなってしまいます。幾ら頑張って作ってもアメリカの輸入車には勝てないんだから作らないですよね。でも、日本政府としては何とか車産業を成長させたい。じゃあどうするか。「関税をかけて日本車を保護」すればいいんです。

上の例でみたように、関税を20万円かければ、アメリカの輸入車の価格は120万円、日本車の価格も120万円で同じ金額になります。同じ金額であれば、日本国内の車製造業者は、何とかアメリカの輸入車より安く売ろうと頑張ります。そうすれば日本国内の車産業は何とか頑張っていけるわけです。このように、「自国の国内産業を保護する」という目的が関税にはあります。

それぞれの国には得意分野があります。例えば国土の小さな日本が幾ら頑張って農作物を育てても、国土が広くて大規模生産をするアメリカの農作物には価格面でかないません。農作物に関税をかけずにアメリカから大量に輸入すれば、国内の農業生産者はアメリカ産の安い農作物に負けてしまい、日本で農家をやる人はいなくなってしまいます。アメリカと仲が良いうちはそれでもいいですが、仮に喧嘩でもしてアメリカから農作物を輸入できなくなったら、既に日本国内の農家はいなくなってしまっているので、日本は農作物を自給できず、国民皆が飢えてしまいます。だから関税をかけて国内の農家を保護し、自国の産業を保護するのです。

自動車や農作物、パソコンや日用品など、各品目の関税はそれぞれの国で細かく設定されています。特異な分野は沢山輸出したいから、相手国に関税を下げろ、と強く言いつつ、苦手な分野は国内産業を保護したいから高い関税を適用しようと、各国は貿易の交渉を行います。

 

じゃあ高い関税をかけてその被害を受けているのは誰でしょうか。そう、国内の消費者です。車の例を思い出してみましょう。関税が0円だった時は、日本国内の消費者は利益を上乗せした120万円で車を買えていたのに、関税が20万円になった時は140万円払わないと車を買えなくなってしまいます。消費者にとっては関税がなくなってくれた方がありがたいんですね。海外から輸入されるワインにも関税がかかってしまいますが、関税が0円になれば海外の美味しいワインが安くなって、どんどん飲むことができます。関税が少なければ少ないほど、世界中で消費者が物をどんどん買うようになるんですね。世界中で沢山の人が物を買うようになれば、世界中の経済規模がどんどん大きくなっていき、世界経済が成長します。なので、国内産業の保護、という観点を除けば、関税はできる限り少ない方が良いのです。また、恣意的に高い関税をかけ合うことができれば、仲の良い国などがグループを作って、グループ以外の国に高い関税をかけ合って、仲の悪い国を排除することができます。A,B,Cという3か国があるとして、A国とB国は仲が良いのでお互いに関税は0円とし、仲の悪いC国に対してはA国もB国も協力して高い関税をかける。そんなこともできてしまいます。そうすると仲間外れになったC国はどうするか。C国と仲の良いD国と相談して、D国にも協力してA国とB国に高い関税をかけて対抗しようとします。このようにグループを作ってそれ以外を排除する経済を「ブロック経済」と言います。こうしてどんどん緊張が高まっていったことも一つの要因となって、第二次世界大戦が起きました。

 

経済が繋がり合うことは、戦争を避けるための安全保障の観点からも重要なことであり、世界経済をどんどん成長させよう、そういった考え方の元に、第二次世界大戦後に先進国を中心に、関税をどんどん低くしていきましょう、という運動を行っていきました。その中心になっているのが、現在のWTO世界貿易機関)です。各国が勝手に関税を高くしないように、共通のルールを作りましょう、としているのです。

 

このような流れのもと、第二次世界大戦後、現在に至るまで関税がどんどん下げられていき、世界経済はどんどん成長していきました。

 

ところが、今回アメリカのトランプ政権が、この流れに逆行するように、中国に高い関税をかけたのです。中国もこれに対して反発し、報復行為として同様にアメリカからの輸入物品に高い関税をかけています。

世界第1位、2位の経済大国がお互いに高い関税をかけ合ってしまえば、世界経済が縮小する要因になりかねません。それだけではなく、第二次世界大戦の要因になってように、経済の対立というのは、実世界における対立の要因にもなりかねないため、このような大きなニュースとして取り上げられているのです。

 

そんな悪いことだらけなのに、何故アメリカはそんなことをしているのか?

その説明は次回に行いたいと思います。

今日はここまでということで、長い間読んでくださりありがとうございました。